I was only joking

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Jim O'Rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(26:00~27:00)

前回はこちら

iwasonlyjoking.hatenablog.com

 

穏やかかつ快楽的な音が流れていくわけだけど、この辺り少しボーズオブカナダを思いだしますね。ミクソリディアンスケールをベースにした和音感覚と、ファットなシンセのサウンドが。ビートと声のサンプリングを抜いた『Geogaddi』。

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前半は、宇宙・銀河的なイメージを思い起こさせるシンセサウンドが中心。後半は比較的に、低音域の音が存在感を増している時間だという感じがする。低い音の穏やかな持続。イメージとしては、牛や象のような大型の草食哺乳類を連想する。少し抑えめの高音部は虫の群れを想起ささせるし、どこか「牧場的」な時空間となっている。

 

26:00 虫の鳴き声のような高音のシンセ。左チャンネルよりにfの音。

26:03 右チャンネルから「フワンっ」という音が一瞬迫り上がる

26:05 コズミックなシンセが細かくアルペジオを奏でる(f→d→fの動きに聞こえる)

26:07 虫の鳴き声のようなシンセ音がaに変化している。先ほどより音が細い印象。低音域ではd#の音が薄く聞こえる。

26:10 高音の倍音の強い持続音gが鳴り、そこに同系統の音aが重なって、空間を広く埋める。ここから10秒ほど、この音が断続的に空間を埋めては消える。

26:14 中音域では輪郭の曖昧なcの音が広がっている。

26:16 26:05に鳴っていたのとおそらく同じ音質のコズミックなシンセがより存在感を増して響く

26:18 低音でfの音

26:22 高音部がキラキラなる中で、gの音の厚みのあるシンセが中音域に現れる

26:26 低音でd#の音

26:31 音圧の高いaの高音がべったりと塗られる

26:33 左寄りに高音の細かい機械的アルペジオ、右寄りにaのロングトーン。真ん中から薄くオーケストラを模したサウンドのシンセが響いているように聞こえる(おそらくg)。低音でfの音。

26:38 厚みのある中音域のシンセがa#で。低音域でこちらも分厚いcのシンセも。

26:41 低音と中音の間で、fの持続音がフィードバックを起こしたかのように増幅する

26:45 高音のgが中心のシンセが聞こえるが、少し音量は控えめ。

26:51 gの音が広がる。フィードバックギターによるものか?右から別のgの音(細くキラキラしている)が継続的にきこえる。

26:56 低音でa#の音。

26:59 低音がd#に変化する。 

 

低音でd#が何度か登場する。基音がfになっているように聞こえるし、この辺りは、どうやらfのミクソリディアンスケール(f,g,a,a#,c,d,d#)で音程が規定されている。僕は、この曲をcのミクソリディアンだと認識していたけど、どこかで転調しているようだ。ただ、cのミクソリディアンとfのミクソリディアンでは構成音が一音しか違わないため(eとd#)、シームレスに転調できるのかもしれない。曲構造の変化が気づかないうちに行われているようだ。和音の全体的な変化がどのようになっているか気になるので、最後まで聴いたら改めて確認してみたい(つづく)

 

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