I was only joking

音楽・文学・映画・演劇など。アボカドベイビー。

Jim O'Rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(34:00~35:00)

前回はこちら
iwasonlyjoking.hatenablog.com

 

いつの間にか、繭の中にいた。少し音量が落ち着いて、アタックの強い電子音は後退し、膜のような淡い音が漏れ聞こえる。それは繭の中として思えない白さと柔らかさだ。糸が重なったかのような肌触りは優しく、この中で、心を外から閉ざして丸まっていたいと思わせる音のかたまり。外の世界が全て「暴力」に思えてしまう時に、この音は心をプロテクトしてくれる。それが自閉的なことであったとしても、知ったことではない。醜悪なものに心を抉られるのはごめんだ。冷たい柔らかさだけが、僕の望むものだ・・・!

・・・今僕は疲れているので、この繊細な音の流れに耳を寄せていると、思わずそんな気持ちに傾いてしまう。そういう効果が、この音時間の中にはある。

 

 

34:00 d#の音が左右両方から伸びる。別の音色が複数?まっすぐ伸びる音と、ジリジリいいながら響くシンセが共存しているかのように聞こえる。

34:03 高めのa#の音のシンセが少し伸びる。

34:08 左からワンワン揺れるfの音。右からは少しこもった音でa#が聞こえる。

34:11 a#の細かく揺れる(波形にしたらかなり激しく上下しているはずの)シンセの音が大きくなる。

34:14 輪郭の薄い低音が聞こえる。おそらくcの音。

34:17 左側からaの冷たい音が控えめな音量で。

34:21 キーンというフィードバックっぽい音(音程不明瞭)

34:25 左からa#の揺れるシンセが、右からは壁のような低音(d#に聞こえる)が大きくなる。

34:29 高音と低音が収まり、中音域のfのシンセが少し顔を出す。

34:33 揺れるアタックの強いシンセがd#で。音程は不明瞭(fっぽい)だが、薄い膜のような音も全体を囲うように響く。

34:34 薄い膜がしばらく持続する

34:41 甲高いフィードバック音

34:45 膜の音以外がいったん落ち着き、静寂に近づく

34:49 cの低音が少し震えながら響きだす。

34:52 ノイズ含みのd#のシンセ。薄靄のような音も同時に聞こえる。おそらく音程はg。

34:58 a#の揺れるシンセが小音量で聞こえる。

 

やはり、少しずつ静寂の比率が大きくなっている。あとおよそ10分。ここから、どのように展開していくのだろうか(続く)

 

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