I was only joking

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Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(24:00~25:00)

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iwasonlyjoking.hatenablog.com

 

暖かい時間が続く。直近の1分間がロングショットで大地を広く映すような映像だったとしたら、この1分間はカメラがクローズアップになり、陽射しを受けた土や水の反射を接近して撮っている。映像とのパラフレーズで、音の変化の印象を表すことができるだろう。

一つ一つの音がプリズムの明滅のように、キラキラとしたイメージを作り出す。雄壮さから可愛らしさへ。大人から子供が生まれるような感じもある。低音が少しおとなしくなるから、そのような印象ができるのかもしれない。

 

24:00(正確には23:59あたりから) キラキラしたシンセ音の連続が現れる。

24:03 低音でcのシンセ、中音域でgのフィードバック。

24:09 スピーカーの真ん中あたりでキーンとした響きの音が一瞬現れる(個人的に好きな音)。

24:10 低音域がg、中音域がcに変わる。低音と中音の音程が入れ替わっている。

24:16 低音がa#、中音がdに

24:19 キラキラした音が現れて、a#とdの音の中間にfの音の太いシンセの持続音が登場する。この三音でa#のメジャーコードになる。

24:21 低音がa#からdに変わっている?ちょっと不明瞭。

24:25〜 低音が収まり、少し音が軽くなる印象

24:27 高い音のdのフィードバック。呼応するかのようにキラキラしたシンセ音がなる。

24:32 左チャンネルからやかん沸騰を連想させる高いfの持続音。右からは龍笛のような音が現れたり消えたりを何度か繰り返す。

24:39 fの音がa#に変わる。

24:44 右からfのフィードバック。この辺りがいくつかの持続音の洪水が起きる。

24:50 高いgの音の音量が上昇してきて、そこから細かく点滅するようなキラキラした響きに変化する。 

24:55 中音域の太めのシンセがfで。

24:58 fの音がgに切り替わる。

 

cのミクソリディアンスケール(c,d,e,f,g,a,a#の七音)で構成されていることが音を取るとわかる。

しかし、このあたりの音の説明で何度も「キラキラ」という擬音語を使ってしまうのだが、この音はどうやって構成されているのだろう?おそらく、音が一瞬のうちに現れたり消えたりを何度も繰り返すことで(光の点滅と同じ認知様式で)「キラキラ」と感じてしまうのだと思うけど。あと。こうした音の音程が取れないのも謎なのである。僕の耳が悪いだけだろうか?この辺りのことはじっくり考えてみたいし、自分で機械をいじって似たような音を出して研究したくもなる。とりあえず、ここでは先に進むことにする。(つづく)

 

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