I was only joking

音楽・文学・映画・演劇など。アボカドベイビー。

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

Bob DylanとCloud Nothingsについて

2月から3月にかけてほとんど新譜を聴いていなかった。何を聴いていたかというとボブ・ディランを、萩原健太『ボブ・ディランは何を歌ってきたのか』を読みながらディランをひたすら聴いていた。 honto.jp この本、デビューから2012年のテンペストに至…

『わたしは、ダニエル・ブレイク』は今年のベスト映画候補です

danielblake.jp 社会問題をテーマに取り込む作品は数多くあれど、ここまで真正面から政治的課題と向き合った映画も珍しいのではないか。ケン・ローチ監督『わたしは、ダニエル・ブレイク』は英国保守党の福祉、医療、教育分野への財政削減政策にストップをか…

『騎士団長殺し』は物語についての物語である

村上春樹はほんとに批評しづらい作家だ。ひとつの視点を持ち出して語るにしても、説得力が発生せずに空振りしているような感覚があり、「深読み」の魔の手に囚われるように感じてしまうのだ。自分は穿ったつまらない見方をしているのではないかという思考が…

ロロ『いつ高シリーズ』まとめ公演はコミュニケーションの在り方を刷新するような大傑作だった

作・演出の三浦直之率いる劇団ロロが不定期に公演している「いつだって可笑しいほど誰もが誰か愛し愛されて第三高等学校」、通称「いつ高」シリーズ。現在その第四弾『いちごオレ飲みながらアイツのうわさ話した』が駒場アゴラ劇場で上演されているが、それ…

早稲田松竹「はじめての映画たち~映画作家の初期作品集~」で学生たちの映画を観ました

昨日早稲田松竹で、早稲田大学【映像制作実習】で制作された2作品と黒澤清『ドレミファ娘の血は騒ぐ』を観ました。 今週の早稲田松竹は「はじめての映画たち」ということで是枝裕和や塚本晋也など日本映画のトップランナーの処女作を上映しているんですが、…