I was only joking

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Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(14:00~15:00)

前回はこちら

iwasonlyjoking.hatenablog.com

 

音に圧迫される感覚を覚える。全き外部からの圧迫というより、自らの精神の内における圧迫。耳にこびりつくシンセの音は押し寄せる苦悩や想念のようで、その間から流れ込むピアノのアルペジオは記憶の断片のようだ。「意識の流れ」のような音響。決して説明的ではないが、どこか自らの精神運動を記述するような趣きのある時間。

 

14:00 押し寄せる高音シンセの中、ピアノのdの音。つづけてf,e,aとアルペジオが続く。

14:06 シンセは右からも左からも現れる。右からは虫笛のような「シューー」という持続音。

14:12 g,cを交互に繰り返すシンセ。

14:17 高音が飛び交う中、少し低いdのシンセがだんだんと広がっていく。

14:21~24 恒例のc,f,e,aのアルペジオ

14:28~33 左からeの音、右からcの音がそれぞれ中域の管楽器みたいなシンセを伸ばす。真ん中では高い音のシンセがずっと耳を圧迫している。

14:36~45 圧迫感が持続する。音はいくつもあって音程がつかめない。

14:39~40 d,fのピアノ

14:46~51 風が空を切るような音が大きくなってくる。

14:51~52 e,aのピアノ。10秒のインターバルでいつものアルペジオを演奏している

14:52~55 龍笛のような高いaの音。bのもう少しソフトな笛っぽい音も直後に聞こえる

14:55~15:00 アルペジオ。a,g,dの音

 

ピアノや管楽器っぽい音など、曲中何度か聞こえる音が何度か現れたりするものの、やはり耳に着くのは倍音の高いシンセ音だ。「アンニュイなテリーライリー」と言った印象を持つサウンド。やはり、混乱した頭の中を美しくトレースしたもののように思えてくる。(続く)

 

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