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この辺まだまだ穏やかで優しい感じだけど、水中にいるようなサウンドが現れて、また少し違う展開を見せている。微細な変化がとても楽しい。しかし、じっくり分解して聴くのだけでも相当に体力がいるから、聴きながら作り上げるのは本当に感覚の鋭さと集中力と精神力を要するなと思う。手抜きのなさにビビる。
27:01 gの音のシンセが上昇する。ギラギラした音色。
27:07 いくつかの持続音が重なる。aの後にdの変化が目立つが、細かく音が連なっている。
27:12 dのシンセ音。これもギラギラしてる。その間に輪郭のはっきりしない高音が聞こえたり隠れたり。
27:17 「ぶくぶく」という効果音。泡みたい。
27:20 「ぼわぁん」という新しい音。ファミコンの効果音で使われてそうと感じる。
27:25 細い鳴き声のようなシンセが左チャンネルから。eの音。
27:28 「ぶくぶくぶく」が小音量で。
27:30 細いシンセがeからfへ
27:36 微かにぶくぶくいってる
27:38 真ん中からgのシンセが少し膨れる。
27:44 中音域で小音量でgとdの音。
27:46 高音の細いシンセがaの音。
27:49 低く柔らかいgの音。マリンバの響きを持続させた音、という連想が浮かんだ。
27:52 dのシンセがワウを掛けたかのように揺れる。
27:55 鳴き声(ちょっとイルカみたい)のようなシンセがeで。
27:59 右からピアノっぽい音。Am7のコードを弾いているような気が・・・
このあたりの柔らかさは高音がキーンとせず、かつ低音が重くならず、という高低双方が主張を抑えていることに由来していると見える。それにしても、シンセの一音一音が気持ちよく、快楽のない音が一音もない。音のバリエーションも実はそこそこ多いのに。どういう感性と論理で音の一つ一つを選んでみるのか、本人に聞いてみたくなった。(つづく)