I was only joking

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Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(22:00~23:00)

前回はこちら
iwasonlyjoking.hatenablog.com

 

穏やかさがあり、どこか光を感じる時間。冬や氷の冷たさでもなく、亜熱帯の自然の気配でもない、柔和な光を受けて揺れている海のような印象がある。明確なメロディを帯びた厚いシンセの音が広がり、その間で曖昧な音の粒子が舞っていて、反射するきらめきのよう。ベルギーのアンビエント作家、Dolphins into The Futureの音楽が少し想起される。

 

 

Sleep Like It's Winterの、アンビエントとは呼び難い変化の多さをどう捉えればよいのか考えているのだけど、ある種の自然の模倣であるようにも思える。何も起きていないようで無数の変化があり、激しい動きもあれば、穏やかな揺蕩いの時間もある。どうしても感覚的に言葉にしていくとニューエイジ的自然志向と近い言葉遣いになってしまうのだが、「自然の模倣」であることは一つの解として成立する。フィールドレコーディングに頼らない、電子音による模倣。

 

22:01 厚みのあるシンセの単音がcを鳴らす。

22:03 dに変化する。

22:05 龍笛のようなキラキラが背後で鳴り続けている。

22:08 音が裏返るようにフィードバックする。

22:13 シンセがeの音に。同時に低音のシンセがaを鳴らす。

22:15 キラキラしたシンセの音(?)のトーンが一定のリズムで揺れている。

22:20 シンセがg、低音がcに変化する。そのまま伸びていく。

22:28 イルカの鳴き声のような音がかすかに。

22:36 揺れる龍笛ライクな音が少しずつ大きくなっていく。ほぼ同時にシンセがcの音に。

22:41 シンセがd,低音がgに。

22:45 柔らかい高音が小音で出入りする。

22:50 龍笛のおとが一定に揺れ続ける。

22:51 一定にシュワシュワいう音が左チャンネルよりに聞こえる。

22:57 輪郭を欠いた高音のオルガンのような音。エフェクター繋いでギターで弾いてる?同時にシンセがcを鳴らす。

22:58 低音シンセ。おそらくe?

 

同じような音階を行ったり来たりしている感じで、前に進んでいるのか、円環を描いているのかが未確定になる。そのような印象もある。曖昧な穏やかさは、このあたりの特徴に由来しているように思う。(続く)

 

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