I was only joking

音楽・文学・映画・演劇など。アボカドベイビー。

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(15:00~16:00)

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iwasonlyjoking.hatenablog.com

 

圧迫感のある音が辺りを覆っているが、次第に音が収まり、穏やかさに変わっていく。少しずつフェイドアウトしているようでもあるが、新しい音も時々現れる。だが、全体的に音が増幅されて広がることはなく、徐々に徐々に静けさが増していく印象がやはり強い。

生きていると、感情の強弱や気分の上がり下がりがサイクルになっていることに気づくことがある。嫌なことがあったとかとは関係なく気分が下がったり、逆に問題を抱えている時でも穏やかな気持ちになったりすることもある。圧迫感が穏やかさに少しずつ、確実に変化していく。その様に耳をすませていると、精神のサイクルのことを考えてしまう。自分の精神の内にある、コントロール不可の「自然」が鳴っている。そんな音楽だと感じたりする。

 

15:02 高音のシンセの圧迫が続く中、 低いシンセでgが鳴らされる

15:03~15:06 何度となく繰り返されている鍵盤のアルペジオ

15:07 輪郭のはっきりしないフィードバック音がワウワウ揺れる

15:12 低いシンセ。aの音

15:15 鍵盤でd,fの二音

15:22 フィードバック音が揺れながら大きくなる。gの音

15:26 支配的だった高音のシンセが少しずつ弱まっていく中、低音のシンセがcで入ってくる

15:30 高音シンセが小さくなることでようやく音程が聞き取れる。c,e,bあたりの音。

15:34~39 低音シンセのcとワウを掛けたようなフィードバック音のcが同時に大きくなっていく。この音は非常に細かく現れたり消えたりを繰り返しているんだな。だから音が圧迫感を伴うんだろう。点滅するライトが目に痛いのと多分同じことだと思う。

15:40~46 音が少しずつ小さくなっていく

15:47 低い音のシンセがfで。

15:51 ワウっぽい音がfで現れる

15:57 ヤカンの沸騰音、あるいは高い笛の音のようなフィードバック。dからaに音が上昇する。

 

音が消えそうで消えないギリギリの感じが細く分解していくとよくわかる。消えそうなところで低いシンセが現れ、それが消えるとフィードバック音が登場する。こうしたギリギリの音の連なりはどこまで続くんだろう。根音(ルート)となるであろう低音のシンセがg→a→c→fと変化しているのも気になる。(続く)

 

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