I was only joking

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Jim O'Rouke/Sleep Like It's Winterを一分ずつ聴く(25:00~26:00)

前回はこちら
iwasonlyjoking.hatenablog.com

 

中音域のシンセの持続音が重なっては消え、豊かな流れを作り出す。おそらくギターのフィードバックでかたちづくられていた甲高い音が薄れていることが、このあたりの時間帯の暖かさ、季節でいえば春を連想する理由だろう。「Sleep Like It's Winter」というタイトルとは裏腹な、目覚めを思わせるサウンドが続いていく。

 

25:00 中音域のシンセのf音に、低音域シンセのd#が重なる

25:06 低音シンセがa#→cと動く

25:11 高音でオルガンのようなcの音が鳴って、花が開きようなイメージ。高音域の倍音が強い。

25:19 四つほどのキラキラした音が、左右左右と交互に連鎖する。cの音が中心。

25:24 中音域fから低音域d#が連続するパターンが再び現れる

25:28 虫の鳴き声を連想する少しか細いa#のシンセ。やや右チャンネルより?

25:30 やわらかく高いシンセのf音が左側から。

25:35 低音と中音の間くらいでa#のシンセが伸びる。

25:40 ぴろぴろ~と擬音化したくなる高いシンセの音が何度か響く

25:46 三たびfからd#への動き。

25:50 小さいシンセ音が急に広がる(SUPERCAR「YUMEGIWA LAST BOY」のイントロに似たようなサウンドがあったような)

25:54 右から少しノイジーなaのシンセ音

26:00 30秒前になったのと同じ、柔らかく高いfのシンセ音が左側から響く

 

f→d#というルート(根音)の変更がおよそ21~22秒ごとに反復されていることがわかる。目立たない反復がありつつ、高音部はその反復に同調していない。常に変化が起こっているように聴くものは感じる。「気づかない反復」は、曲を構造的に見ていくともっと気づくかもしれない(この辺りは最後まで聴き終わった後に検討してみたい)

細かく聴いていくと、後半はまた少し冷たい感触がもどりつつあると感じる。サウンドに高音の倍音が増して、「耳キーン」感が強まったからか。ここから先、再び冬の冷たさが曲中に回帰するのだろうか。(つづく)

 

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