I was only joking

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Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(9:00~10:00)

前回はこちら

iwasonlyjoking.hatenablog.com

 

さて、ようやく10分に届く。長い10分間だった。ここまででもあらゆることが起きたように思うのに、あと35分もあるとは!どうなってしまうのか?

今回も1分聴いた印象を述べたいのだが、この1分間は感情のポイントを定めることが難しい。物々しい感じもするし、穏やかだとも思える。ファニーで楽しいフィーリングもあるのだが、孤独で寂しいという印象も覚える。どっちつかずな、感情的に捉えどころのない音楽世界が展開されている。不協和音が少し増えて、中音域のフィードバックが中心になり、音量的には少し抑え気味だったように思う。

 

9:00〜10 dのフィードバックが広がり、合わせてdシャープより少し低い、dとの間の音程の音も小さい音量で鳴っている。不協和音の印象はここから生まれているだろう。中音域を中心に音が大きくなるが、風鈴のような音も高温で鳴っている。

9:12 雅楽龍笛を思わせる音でcシャープからdシャープへ。こちらも不協和度が高い。

9:14 ピアノでf、直後に水跳ねる音でg。

9:20 この辺りのフィードバック音の構成は低音でgシャープ、中音でd、高音でbフラット。コードネームだとG#sus2(-5)って感じですでに不穏な和音なのだが、音が微妙に上下にずれてるようで余計に気持ち悪い音になっている。それでも、ノイジーだったり不快な感じがしないんだよな。

9:32 水跳ねる鍵盤のgが再び。

9:33 ここで今まで聞いたことのない音。倍音の強いオルガンっぽい高音で、a,f,d,f,dといった音階を奏でている。これはシンセか、それともエフェクターを駆使してギターで鳴らしているのか。

9:40 これまでも頻繁に使われていた低めのcの音のフィードバックが支配的になり、音程的に安定感が戻ってくる。連鎖するフィードバックはfの音。

9:48 水跳ね鍵盤三たび登場。

9:59 サックスの音のようなフィードバックが現れる。dかな。

 

不協和だったり安定していたり、比較的中音域が中心になっているけれども高音もところどころで鳴っていたりと、構成要素がせわしなく変わる一分間。印象がどっちつかずなのはそのためだろう。オルガンっぽい比較的速いパッセージが現れたのは新鮮。まだ新しい音はあったか。(続く)

 

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