I was only joking

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Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(10:00~11:00)

前回はこちら

iwasonlyjoking.hatenablog.com

 

すごくどうでもいいことだが、タイトルの番号を①、②と丸囲みの記号で表示し続けてたのに、11番以降は丸囲みがない!統一できないじゃないか、くそぉ・・・。なんかある気がしてたのに。1回目からタイトル直そうかなぁ。

 

さて、気を取り直して。また一分間聞いてみた。ここでは音がグニャっと動いてる。発された音の音程や倍音が揺らいで、虫のような蠢きを見せる。サックスっぽい音やオルガンっぽい音など、今まで使われなかった音も多く使われている。一音一音を追いかけるのが楽しい時間だと思った。トンボとか蝶々を追いかけている子供の気分に近いかもしれない。全然関係ないけど、僕は最近虫に興味がある。ある人から「虫は種族としてめっちゃ長生きですごい、人間なんて目じゃない」と言われて、「たしかに」と思ってしまった。この一分間も、個体というより、群体の生命力を感じさせるものがある。

 

10:00 サクソフォンシンセサイザーの中間のような音が広がる。最初はd、そのあと一旦途切れてcとc#の間を揺れ動いてく。虫の羽音を思わせるものがある。途切れ方と音程の移り変わり方がサクソフォンっぽいんだけど、インタビューによれば管楽器は使ってないはず。どうやって出しているんだろう。

10:12 お馴染みにフィードバック音が現れるんだけれど、ここでも音が多様に変化する。オルガンのようなものやソフトな目覚まし時計のような音、ホワァと広がるなんとも形容しがたい音。幾重にも重なっていて、つなぎ目も明確ではない。

10:22 これまたお馴染みのgの水跳ね鍵盤。と同時に、細く長続きするフィードバック音が聞こえる。こちらも基音はg。鍵盤の音がそのままフィードバックにつながっているようにも聞こえる。

10:28 低音でaのシンセ。

10:30 笛のような音の音量が大きくなったり小さくなったり。

10:36 笛の音量が大きくなってフィードバック状態。音程はaかな。

10:41 笛音の質感が微妙に変わる。電子音っぽさが出て、左右にパンが振られる。この左右パンの音が15秒ほど断続的に鳴っている。この辺りでピアノもなる。繰り返されているd,f,e,aのフレーズ。

10:47 控えめなフィードバック音、gの音。

10:53 左右に電子音がきらめいていて、真ん中では尺八を思わせるフィードバック音。eの音。控えめというか、ストイックな印象すらある。

10:58 ここから二秒間、音量が急速に減少していく。

 

変化が多いだけあって、書くべきことも多い。もっと細かい変化がたくさんある。この一分間は一つ一つの音が大きくないため、変化も明確にわかる。明確ではないのは音と音の関係。別々に鳴らされているようにも聞こえるし、一つの音が持続しながら変化しているようにも聞こえる。そうした曖昧さがより如実になってくる。まさに個体ではなく群体としての存在感。アンビエントでもオリジネイたーのイーノの曲は比較的一音一音が特定できるように思えるし、僕が大好きなStars Of The Lidは音の壁が押し寄せるフィーリングであるのに対し、Sleep Like It's Winterの音の特徴はそれぞれが単体として活動しながら曖昧に溶け合っている「群体性」にあるのではないか。そんなことを考えながら、次の1分を聞いてみることにする。

 

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imdkmさんが拙ブログを紹介してくれている。嬉しい。

caughtacold.hatenablog.com

 

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