I was only joking

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Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(19:00~20:00)

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iwasonlyjoking.hatenablog.com

フィールドレコーディングされたと思われる鳥や虫の声が2分ほど続いてきた。この1分間でも音の構成要素は大きく変わってはいないが、音が少しずつ大きくなっていく。途中雪崩のような轟きが現れ、熱帯感すら漂っていた空間に、冬の冷たさが徐々に戻ってきているのを感じる。

 

19:01 左チャンネルからキイキイ響くノイジーな鳥の鳴き声。断続的に聞こえてくる。

19:07 「フワァ」という輪郭のないfのシンセ音が持続してなっている(この前から鳴っているようだが、目立ってくるのはこの時間あたり)

19:10 小鳥の鳴き声を電気機械で再現したかのような、柔らかいが人工的、かつ輪郭のない音が聞こえている。この音は1分間ほぼなりっぱなしのようである。

19:16~ 甲高い電子音のヴォリュームがグワッと押し寄せる。ほぼ同時に、雪崩のような、もしくは強風のような音のまとまりも聞こえてくる。

19:25 「チュパ」っという可愛らしいノイズ。これは小鳥の声か、機械の音か。微妙なところ。

19:30〜 チリチリいうノイズが存在感を増す。おそらくラジオから出ている音ではないか。

19:37 フィードバックノイズ風の高音。このあたりで、一度音が静まる前に戻ってきているような印象を受ける。

19:50 轟きがさらに大きくなり、不吉なものが近づいている時の不安感。

19:51 左からフィードバックギターの音?aの音程で聞こえる。

19:59 「ギシっ」というノイズがかなりはっきりと聞こえる。

 

この1分間の前半と後半では、やはりだいぶ印象が変わっている。柔らかい自然界の感触が伝わってきた前半が、少しずつ、人工的な電子音のイメージに塗り替えられていく。断続的に聞こえていた鳥の声も、大きくなってきたシンセのサウンドやノイズにかき消されてきている。ここから、音は元の冷たいサウンドスケープに回帰していくのか。それとも、また別の雰囲気をまとい始めるのか。(続く)

 

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