I was only joking

音楽・文学・映画・演劇など。アボカドベイビー。

2019-01-01から1年間の記事一覧

LOCUST2号発売、そして三つの力について

僕が編集長をしている雑誌『LOCUST』の2号が5月6日の第28回文学フリマ東京にて発売されます。 bunfree.net あらためて、LOCUST(ロカスト)とは何か。それは批評の言葉で作る、新しい旅行の本です。本の作り手たち(編集者、執筆者、デザイナーetc.)が直接…

作詞3

日記代わりに、作詞用に書いたものをちょくちょく載せていきます。 詞に歌や曲を乗せたいという殊勝な人がいれば是非試していただけるととてもとても嬉しいです。事前の断りは不要ですが、web等で発表する場合は事前にご連絡ください。 →伏見 瞬 sarai.nuh@g…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(22:00~23:00)

前回はこちらiwasonlyjoking.hatenablog.com 穏やかさがあり、どこか光を感じる時間。冬や氷の冷たさでもなく、亜熱帯の自然の気配でもない、柔和な光を受けて揺れている海のような印象がある。明確なメロディを帯びた厚いシンセの音が広がり、その間で曖昧…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(21:00~22:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com 膨れ上がった音の連鎖が静まり、瞑想めいた時間が始まる。その穏やかさは、どこかいたずらっ子めいた憎い可愛げも同時に宿している。妖精がくすくす笑いをしているような印象は、音楽的には全く異なるのだが、Sm…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(20:00~21:00)/

前回はこちらiwasonlyjoking.hatenablog.com おぉ、とても気持ちいい・・・。 フィードバックの連鎖が戻ってきた。意識に襲いかかるようなサウンドの復権。時々、寝ようとしている時に頭の中でツーンという音が鳴って広がったと思ったら一瞬で消えるみたいな…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(19:00~20:00)

前回はこちらiwasonlyjoking.hatenablog.com フィールドレコーディングされたと思われる鳥や虫の声が2分ほど続いてきた。この1分間でも音の構成要素は大きく変わってはいないが、音が少しずつ大きくなっていく。途中雪崩のような轟きが現れ、熱帯感すら漂っ…

作詞②

日記代わりに、作詞用に書いたものをちょくちょく載せていきます。 詞に歌や曲を乗せたいという殊勝な人がいれば是非試していただけるととてもとても嬉しいです。事前の断りは不要ですが、web等で発表する場合は事前にご連絡ください。 →伏見 瞬 sarai.nuh@g…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(18:00~19:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com ひきつづき森の中の時間は続く。シンセの音と数種類の鳴き声が同居している。通常の音量では聞き取れない音が多く含まれる(ここの部分の小さい音が聞き取れるヴォリュームにステレオを合わせると他のパートが大…

Jim O'rouke/Sleep Like It' Winterを1分ずつ聴く(17:00~18:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com 非常に音が小さいパートに突入している。流しで聴いている時は1分ほど無音が続いているのではないかと訝しんでいたところだ。音量を上げて聞いてみると、今までで一番(人間以外の動植物の気配が感じられるとい…

作詞その1

詞を書きました。継続的に、不定期に書いていくつもりです。日記の代わりのようなものかもしれません。 単独で成立する詩ではなく、あくまで歌と音が乗ることを前提としたものです。文として読むと少し恥ずかしいくらいの「歌詞」。 ぼくは歌うのが好きで、…

東京塩麹 象の鼻ワンマンショーwithAokid

東京塩麹のワンマンライブを横浜の象の鼻テラスまで観に行った。 ガラス張りで海沿いの道がよく見えるテラスの中、照明が落とされ、8人のメンバーがキメの細かい演奏を始める。 東京塩麹はスティーブ・ライヒの音楽を直接の参照元にしていることは以前から…

Plastic Tree 試論 ~浮かぶことについて~

・NOVEMBERSとヴィジュアル系 THE NOVEMBERSの新作『ANGELS』が本当に素敵な作品で、僕のツイッターのTLではここ10日くらいずっとNOVEMBERSで盛り上がっています。 ANGELS THE NOVEMBERS ロック ¥2000 彼らが作り上げてきたサウンドのロマンスが、インダスト…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(16:00~17:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com さて、前回は圧迫感が少しずつ穏やかさに変わっていく一分間だった。ここでさらなる変化が起きる。 つまり、無音。 ここまで音の出入りが激しく、アンビエントと言いつつ実際に耳を集中させるとなかなか落ち着か…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(15:00~16:00)

前回はこちらiwasonlyjoking.hatenablog.com 圧迫感のある音が辺りを覆っているが、次第に音が収まり、穏やかさに変わっていく。少しずつフェイドアウトしているようでもあるが、新しい音も時々現れる。だが、全体的に音が増幅されて広がることはなく、徐々…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(14:00~15:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com 音に圧迫される感覚を覚える。全き外部からの圧迫というより、自らの精神の内における圧迫。耳にこびりつくシンセの音は押し寄せる苦悩や想念のようで、その間から流れ込むピアノのアルペジオは記憶の断片のよう…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(13:00~14:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com この一分間は、人工的な電子音が鳴っている印象が強い。ただし、音を聞いて浮かぶのは、人類が誕生する前から地球上に存在した自然物のイメージだ。それは波であり、木々であり、虫であったりする。寄せては返す…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(12:00~13:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com 今回は先に時系列で音の運びを確認してみよう。 12:00~05 高いeの音と低いaの音を中心に、いくつかの持続音。 12:07 低音が一度途切れ、すぐに再びgとなって現れる。ほぼ同時に恒例のd,f,e,aのアルペジオ。 12:1…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(11:00~12:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com ここで、今までで一番ドラマチックな事件が起きる。つまり 音が消える。 音量においては冒頭から飛ばし気味に鳴っていたこの曲だが、一瞬なんの音もしない状況になる。その分、ピアノやシンセの鳴り方がよくわか…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(10:00~11:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com すごくどうでもいいことだが、タイトルの番号を①、②と丸囲みの記号で表示し続けてたのに、11番以降は丸囲みがない!統一できないじゃないか、くそぉ・・・。なんかある気がしてたのに。1回目からタイトル直そう…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(9:00~10:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com さて、ようやく10分に届く。長い10分間だった。ここまででもあらゆることが起きたように思うのに、あと35分もあるとは!どうなってしまうのか? 今回も1分聴いた印象を述べたいのだが、この1分間は感情…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(8:00~9:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com この一分間はなんとなくコミカルというか、ちょっと笑ってしまうフィーリングがあった。後半は少し不穏でホラーっぽい感じもあるのだけど、それも含めてどこか馬鹿らしいマヌケな感触。これは一体なんだろう。 8…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(7:00~8:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com 優しく、圧倒される。前半の(といっても全体から見ればまだ前半なんだが)頭の中を鋭くえぐられるような危険な感じがないまま、音の広がりが押し寄せてきて、聴くものを飲み込んでいく。穏やかなまま死に至らし…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(6:00~7:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com どこか荘厳な雰囲気が漂う。ある種の神秘性みたいなものを常に帯びてはいたけど、今まではもっと音の波にトバされて意識が「向こう側」にいく、みたいな印象だった。ここではトバされるような音というより、静け…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(5:00~6:00)

前回はこちらiwasonlyjoking.hatenablog.com 音が一音一音重なるたびに「う、美しい・・・」「き、気持ちいいい・・・」という気持ちになって、言葉に移し替えるのをやめてしまいたくなる。そんな一分間。音色として新しい音が入ってきたわけでもないのだが…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(4:00~5:00)

前回はこちらiwasonlyjoking.hatenablog.com 加えられていく音数が少ない時間。一音一音に耳をそばだてる時間が長くなり、瞑想に近い状態に体が入る。氷の洞窟の中にいる感覚。さっきまでだったらノイズに埋もれていただろう鍵盤の音が。水がはじけるように…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(3:00~4:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com 次の1分間は今までよりも穏やかな印象を与える。高いキーンと響く音が減り、虫の鳴き声のような音が控えめの音量でわさわさと聞こえてくる。 このわさわさいう音をどう鳴らしているのか気になるのだけれど、イン…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(2:00~3:00)

前回はこちらiwasonlyjoking.hatenablog.com さて、2分が過ぎた。 どうやら、この曲の特徴を成している音は、音量と一緒に倍音も増加していく高音のフィードバックノイズ(ノイズというには音が整理されている、専門的な言葉を使うと日整数次倍音が少ない気…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(1:00~2:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com 前回のやつを書いてみて思ったが、逐語的に音が現れるたびに一つ一つ言葉にしてみても、聴いていない人には全く伝わらない可能性があるぞ。1分間を時系列に沿って具体的に説明しようとするより、1分間丸々の印象…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(0:00~1:00)

Jim O'rouke(ジム・オルーク)が2018年にCDとBandcamp上で発表した一曲44分21秒の作品『Sleep Like It's Winter』は僕にとってこの年のベスト作品でした。それどころか、今までの人生で聴いた多くの作品のなかでも屈指のものだと思われるのですが、なにがす…

LOCUSTな日記 1/27

今の気持ちは「不安でめんどくさい」です。 LOCUSTは一号が想像以上に多くのポジティブな反応をいただき、力をいただいた。二号も話し合いを進め、先週には旅行にも行った。旅行中はほんとに楽しかった。本を作る過程に「旅行」が組み込まれてるのはほんとに…