I was only joking

音楽・文学・映画・演劇など。アボカドベイビー。

Jim O'Rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(31:00~32:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com 音がふっと消えたり、また現れて膨張したりする。しばらく音が途切れない時間が続いていて、少しずつ静寂の量が増してきたから、ここからまた静かになるのかな?という予感がする。 31:02 a#で持続していたシン…

Jim O'Rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(30:00~31:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com 音がどんどん塗られていくイメージ。ギラギラした電子音、可愛らしさのある笛のようなシンセ、輪郭の薄いぼんやりした音圧など、いくつかの音が入れかわり立ちかわりに現れて、分厚く冷たい音の壁となる。後半は…

Jim O'Rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(29:00~30:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com 穏やかさや暖かさの印象を与えていたここ数分の時間から、少し不安感や冷たさを感じる時間へ移行したように感じられる。SF的なボワボワ鳴るシンセと天使的なかすかに持続する単音がぶつかる。それは決して気持ち…

最近のこと(地点とDOMMUNEの感想)

5/28 仕事終わり、地点『シベリアへ!シベリアへ!シベリアへ!』を観に行く。 チェーホフの短編小説や書簡の断片で構成された上演。安部聡子さんの靴についた鈴が「シャリン、シャリン」とリズムを刻み続けるからか、音楽として体を揺らして体験していた。…

Jim O'Rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(28:00~29:00)'

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com 予兆のような一分間。この世のものと思えないような何者かの声が囁く(その声の主を「天使」とでも形容したくなるけど、流石に陳腐にしか感じれらない)。声は優しい。だけど今にも暴走して全てを壊すような不安…

Jim O'Rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(27:00~28:00)'

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com この辺まだまだ穏やかで優しい感じだけど、水中にいるようなサウンドが現れて、また少し違う展開を見せている。微細な変化がとても楽しい。しかし、じっくり分解して聴くのだけでも相当に体力がいるから、聴きな…

雑感190526

休日の朝に無駄なことをしてしまうと、不快さを忘れるのに時間がかかる。人に会うと救われる。 新宿で美味しい小籠包を食べた。皮と肉と汁が一個の物体として収まっている。「確かに食べ物を食べた」という実感が湧く。自分が頑張って作ったものが世界に存在…

Jim O'Rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(26:00~27:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com 穏やかかつ快楽的な音が流れていくわけだけど、この辺り少しボーズオブカナダを思いだしますね。ミクソリディアンスケールをベースにした和音感覚と、ファットなシンセのサウンドが。ビートと声のサンプリングを…

Jim O'Rouke/Sleep Like It's Winterを一分ずつ聴く(25:00~26:00)

前回はこちらiwasonlyjoking.hatenablog.com 中音域のシンセの持続音が重なっては消え、豊かな流れを作り出す。おそらくギターのフィードバックでかたちづくられていた甲高い音が薄れていることが、このあたりの時間帯の暖かさ、季節でいえば春を連想する理…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(24:00~25:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com 暖かい時間が続く。直近の1分間がロングショットで大地を広く映すような映像だったとしたら、この1分間はカメラがクローズアップになり、陽射しを受けた土や水の反射を接近して撮っている。映像とのパラフレーズ…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(23:00~24:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com 曲が中盤を過ぎ、おおらかな音の膨らみが訪れる。果てが見えないほど開けた大地のような、途方もなく大きな空間に身を置いたような感覚。持続していく音には豊かな厚みがあって、途中には地響きのような低音の唸…

LOCUST2号発売、そして三つの力について

僕が編集長をしている雑誌『LOCUST』の2号が5月6日の第28回文学フリマ東京にて発売されます。 bunfree.net あらためて、LOCUST(ロカスト)とは何か。それは批評の言葉で作る、新しい旅行の本です。本の作り手たち(編集者、執筆者、デザイナーetc.)が直接…

作詞3

日記代わりに、作詞用に書いたものをちょくちょく載せていきます。 詞に歌や曲を乗せたいという殊勝な人がいれば是非試していただけるととてもとても嬉しいです。事前の断りは不要ですが、web等で発表する場合は事前にご連絡ください。 →伏見 瞬 sarai.nuh@g…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(22:00~23:00)

前回はこちらiwasonlyjoking.hatenablog.com 穏やかさがあり、どこか光を感じる時間。冬や氷の冷たさでもなく、亜熱帯の自然の気配でもない、柔和な光を受けて揺れている海のような印象がある。明確なメロディを帯びた厚いシンセの音が広がり、その間で曖昧…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(21:00~22:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com 膨れ上がった音の連鎖が静まり、瞑想めいた時間が始まる。その穏やかさは、どこかいたずらっ子めいた憎い可愛げも同時に宿している。妖精がくすくす笑いをしているような印象は、音楽的には全く異なるのだが、Sm…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(20:00~21:00)/

前回はこちらiwasonlyjoking.hatenablog.com おぉ、とても気持ちいい・・・。 フィードバックの連鎖が戻ってきた。意識に襲いかかるようなサウンドの復権。時々、寝ようとしている時に頭の中でツーンという音が鳴って広がったと思ったら一瞬で消えるみたいな…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(19:00~20:00)

前回はこちらiwasonlyjoking.hatenablog.com フィールドレコーディングされたと思われる鳥や虫の声が2分ほど続いてきた。この1分間でも音の構成要素は大きく変わってはいないが、音が少しずつ大きくなっていく。途中雪崩のような轟きが現れ、熱帯感すら漂っ…

作詞②

日記代わりに、作詞用に書いたものをちょくちょく載せていきます。 詞に歌や曲を乗せたいという殊勝な人がいれば是非試していただけるととてもとても嬉しいです。事前の断りは不要ですが、web等で発表する場合は事前にご連絡ください。 →伏見 瞬 sarai.nuh@g…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(18:00~19:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com ひきつづき森の中の時間は続く。シンセの音と数種類の鳴き声が同居している。通常の音量では聞き取れない音が多く含まれる(ここの部分の小さい音が聞き取れるヴォリュームにステレオを合わせると他のパートが大…

Jim O'rouke/Sleep Like It' Winterを1分ずつ聴く(17:00~18:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com 非常に音が小さいパートに突入している。流しで聴いている時は1分ほど無音が続いているのではないかと訝しんでいたところだ。音量を上げて聞いてみると、今までで一番(人間以外の動植物の気配が感じられるとい…

作詞その1

詞を書きました。継続的に、不定期に書いていくつもりです。日記の代わりのようなものかもしれません。 単独で成立する詩ではなく、あくまで歌と音が乗ることを前提としたものです。文として読むと少し恥ずかしいくらいの「歌詞」。 ぼくは歌うのが好きで、…

東京塩麹 象の鼻ワンマンショーwithAokid

東京塩麹のワンマンライブを横浜の象の鼻テラスまで観に行った。 ガラス張りで海沿いの道がよく見えるテラスの中、照明が落とされ、8人のメンバーがキメの細かい演奏を始める。 東京塩麹はスティーブ・ライヒの音楽を直接の参照元にしていることは以前から…

Plastic Tree 試論 ~浮かぶことについて~

・NOVEMBERSとヴィジュアル系 THE NOVEMBERSの新作『ANGELS』が本当に素敵な作品で、僕のツイッターのTLではここ10日くらいずっとNOVEMBERSで盛り上がっています。 ANGELS THE NOVEMBERS ロック ¥2000 彼らが作り上げてきたサウンドのロマンスが、インダスト…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(16:00~17:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com さて、前回は圧迫感が少しずつ穏やかさに変わっていく一分間だった。ここでさらなる変化が起きる。 つまり、無音。 ここまで音の出入りが激しく、アンビエントと言いつつ実際に耳を集中させるとなかなか落ち着か…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(15:00~16:00)

前回はこちらiwasonlyjoking.hatenablog.com 圧迫感のある音が辺りを覆っているが、次第に音が収まり、穏やかさに変わっていく。少しずつフェイドアウトしているようでもあるが、新しい音も時々現れる。だが、全体的に音が増幅されて広がることはなく、徐々…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(14:00~15:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com 音に圧迫される感覚を覚える。全き外部からの圧迫というより、自らの精神の内における圧迫。耳にこびりつくシンセの音は押し寄せる苦悩や想念のようで、その間から流れ込むピアノのアルペジオは記憶の断片のよう…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(13:00~14:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com この一分間は、人工的な電子音が鳴っている印象が強い。ただし、音を聞いて浮かぶのは、人類が誕生する前から地球上に存在した自然物のイメージだ。それは波であり、木々であり、虫であったりする。寄せては返す…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(12:00~13:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com 今回は先に時系列で音の運びを確認してみよう。 12:00~05 高いeの音と低いaの音を中心に、いくつかの持続音。 12:07 低音が一度途切れ、すぐに再びgとなって現れる。ほぼ同時に恒例のd,f,e,aのアルペジオ。 12:1…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(11:00~12:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com ここで、今までで一番ドラマチックな事件が起きる。つまり 音が消える。 音量においては冒頭から飛ばし気味に鳴っていたこの曲だが、一瞬なんの音もしない状況になる。その分、ピアノやシンセの鳴り方がよくわか…

Jim O'rouke/Sleep Like It's Winterを1分ずつ聴く(10:00~11:00)

前回はこちら iwasonlyjoking.hatenablog.com すごくどうでもいいことだが、タイトルの番号を①、②と丸囲みの記号で表示し続けてたのに、11番以降は丸囲みがない!統一できないじゃないか、くそぉ・・・。なんかある気がしてたのに。1回目からタイトル直そう…